ファミリーレストラン「外食」の近現代史
日本で、「家族」という単位での「外食」が本格的に開始されたのは、明治以降だった。鉄道や海上交通が発達するにつれ、駅弁や駅前食堂、大衆食堂、デパート食堂といったものもまた、発展していった。その後、戦時中の食糧難、戦後のアメリカ洋食の影響などを経て、ファミリーレストランの誕生へとつながっていく。
その前史から、1970年代に迎えた黄金期、「食べる場所」から「いる場所」へと変化した1980年代、「ファミリー」の変化とともに変質する1990年代、そして低価格化と専門料理化の流れのなかで進化する現代を、「日常食」研究の第一人者が俯瞰して綴る。楽しい食べ歩きコラム付き!
目次
まえがき
第1章 ファミリーレストラン前史①――外食の誕生
第2章 ファミリーレストラン前史②――デパート食堂の隆盛
第3章 ファミリーレストラン前史③――戦後の食の多様性
第4章 外食文化の復興、高度経済成長、そしてファミリーレストランの誕生
第5章 ファミリーレストランの時代
第5章〈番外編〉 ファミリーレストランで食べる
第6章 「食べる場所」から「いる場所」に――1980年代
第7章 大きく変化するファミリーレストラン、同時に変質する「ファミリー」の利用――1990年代
第8章 専門料理に特化するファミリーレストラン、次の「ファミリー」レストラン
あとがき
著者紹介
今柊二(こん とうじ)
1967年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業。定食評論家。畸人研究学会主幹。日本全国の定食屋と立ちそば屋を訪ね歩き、日夜、調査・研究を展開。著書に、『旨い定食 途中下車』(光文社新書)、『定食バンザイ!』『がんがん焼肉もりもりホルモン』(以上、ちくま文庫)、『定食学入門』(ちくま新書)、『定食ニッポン』『ニッポン定食紀行』『立ちそば大全』(以上、竹書房文庫)、『定食と文学』『定食と古本』(以上、本の雑誌社)、『かながわ定食紀行』(かもめ文庫)などがある。