スクールカースト
2012年12月14日発売
定価:924円(税込み)
ISBN 978-4-334-03719-2
光文社新書
判型:新書判ソフト
教室内カースト
「なぜ、あのグループは教室を牛耳っていて、このグループには“はしゃぐ権利”すら与えられていないのか――」。スクールカーストとは、主に中学・高校のクラス内で発生するヒエラルキーのことで、小学校からその萌芽はみられる。同学年の子どもたちが、集団の中で、お互いがお互いを値踏みし、ランク付けしていることは以前から指摘されており、いじめや不登校の原因となるとも言われてきた。
本書では、これまでのいじめ研究を参照しながら、新たに学生や教師へのインタビュー調査を実施。教室の実態や生徒・教師の本音を生々しく聞き出している。生徒には「権力」の構造として映るランク付けが、教師にとっては別の様相に見えていることも明らかに……。本書ではまた、中学生への大規模アンケート調査結果もふまえながら、今後の日本の学校教育のあり方に示唆を与える。解説・本田由紀。
目次
はじめに
第1章 「スクールカースト」とは何か?
第2章 なぜ今、「スクールカースト」なのか?
第3章 「スクールカースト」の世界
第4章 「スクールカースト」の戦略
第5章 教師にとっての「スクールカースト」
第6章 まとめと、これからのこと
あとがき
解説/本田由紀
著者紹介
鈴木翔(すずきしょう)
1984年、秋田県生まれ。群馬大学教育学部卒業。現在、東京大学大学院教育学研究科博士課程。東京大学社会科学研究所学術支援専門職員。専門は教育社会学。主な研究テーマは中高生の交友関係。主著に「恋人の有無が中学生の意識に与える影響」(共著、『東京大学大学院教育学研究科紀要』第51巻)がある。
本田由紀(ほんだゆき)
1964年、徳島県生まれ、香川県育ち。社会学者。東京大学大学院教育学研究科教授。著書に『若者と仕事』(東京大学出版会)、『多元化する「能力」と日本社会』(NTT出版、第6回大佛次郎論壇賞奨励賞受賞)、『「ニート」って言うな!』『希望難民ご一行様』(ともに共著、光文社新書)、『教育の職業的意義』(ちくま新書)など多数。