バカニミンシュシュギハムリナノカ?
2013年1月17日発売
定価:902円(税込み)
ISBN 978-4-334-03726-0
光文社新書
判型:新書判ソフト
バカに民主主義は無理なのか?
民主主義だからダメなのか? まだ民主主義じゃないからダメなのか?
昨今の日本を見ていると、もう本当に「日本の民主主義はダメなのか?」とうなだれてしまう。これまで、日本の政治がうまく機能していない理由は、「民主主義が未熟」であるためだと説明されがちだったが、本当は何が問題なんだろう。本書では、日本の民主制の危機、問題点を考えるにあたり、民主制や自由思想の歴史、そしてそれを近代日本がどのように移入したのか、さらに、改正が取り沙汰される日本国憲法の、国民の見落としている根本原理などについて一から学び直す。また戦後政治が何を積み残してきたのかを丁寧に振り返り、最後には、我々に最も欠けている思考について検証。民主主義の限界を克服する道を探る。「必要悪としての政治」という視点から、民主制の主体=民衆に求められる資質・精神について考える。
目次
はじめに
第1章 日本人は、いったい政治に何を望んでいるのか?
――日本の民主制が危機におちいっている理由
第2章 「自由」と「平等」に、根拠はあるのか?
――民主制の歴史と、展開
第3章 日本国憲法、何か問題でも?
第4章 戦後の日本政治は、何を積み残してきたのか?
第5章 バカに民主主義は無理なのか?
――輝かしくない日本の未来に向けて
あとがき
参考文献
著者紹介
長山靖生(ながやま やすお)
1962年茨城県生まれ。評論家。歯学博士。鶴見大学歯学部卒業。歯科医のかたわら、文芸評論、社会時評など幅広く執筆活動を行っている。1996年、『偽史冒険世界』(筑摩書房)で第10回大衆文学研究賞を受賞。2010年、『日本SF精神史』(河出ブックス)で、第31回日本SF大賞、第41回星雲賞を受賞。著書は他に、『「人間嫌い」の言い分』『不勉強が身にしみる』『「論語」でまともな親になる』『新書で名著をモノにする 平家物語』(以上、光文社新書)、『天皇はなぜ滅びないのか』『天下の副将軍』『テロとユートピア』(以上、新潮選書)、『日露戦争』『大帝没後』『謎解き 少年少女世界の名作』(以上、新潮新書)、『千里眼事件』『奇想科学の冒険』(以上、平凡社新書)など多数。