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「コウガクレキワーキングプア」カラノダッシュツ
2020年5月20日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-04476-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
「高学歴ワーキングプア」からの脱出
人事とは採る側の論理である。
誰を採用したいか、ということはもちろん採る側のそれぞれに思惑があるものだが、その場を誰がどのように取り仕切るかによって、結論は必然的にひとつに落ち着くように流れがつくられる。公募書類や人物面接だけで、馬鹿正直に結論が導かれているわけではない。どの旗のもとに立つのかということを決めた人たちが、流れを制するために論理展開するだけなのだ。勝った側の結論こそがその場で公平に評議されたかのようにして、結果的に公開されるのである。だから、たとえ落ちたとしても驚くにあたらず、と私は重ねて申し上げたい。
目次
まえがき――『「高学歴ワーキングプア」からの脱出』執筆への道
第一章 高学歴ワーキングプアからの卒業
第二章 言ってはいけない
――2015年~16年に起こったこと
第三章 気づくべきは見えないチカラ
第四章 公募の裏側
――これが採る側の実態だ
第五章 「高学歴ワーキングプア」問題とは何だったのか
特別対談 前野 ウルド 浩太郎×水月昭道
著者紹介
水月昭道(みづきしょうどう)
1967年福岡県生まれ。バイク便ライダーを経て、長崎総合科学大学工学部建築学科卒業。九州大学大学院人間環境学府都市共生デザイン専攻博士課程修了。博士(人間環境学)。立命館大学専門研究員を経て現・立命館大学客員教授。学校法人筑紫女学園理事。浄土真宗本願寺派西光寺住職。若手研究者をめぐる雇用や研究環境問題及び当事者心理を自著『高学歴ワーキングプア』(光文社新書)にてわかりやすくかつ深く表現し注目される。著書に『高学歴女子の貧困』(共著、光文社新書)、『お寺さん崩壊』(新潮新書)、『子どもの道くさ』(東信堂)他。「神経難病患者の生を捉えるライフ・エスノグラフィ」(共同執筆)で日本質的心理学会優秀フィールド論文賞受賞。