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ミヤザワケンジ『ギンガテツドウノヨル』トウチュウノタビ
2020年7月16日発売
定価:1,210円(税込み)
ISBN 978-4-334-04483-1
光文社新書
判型:新書判ソフト
天文学者が解説する宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅
『雨ニモマケズ』『注文の多い料理店』『春と修羅』などの作品で知られる宮沢賢治(1896 ―1933)は、生誕から120年以上が経った現在でも多くの人に愛され、影響を与え続けている。
仏教信仰と農民生活に根ざした創作を行い、作品中に登場する架空の理想郷に郷里の岩手県をモチーフとして「イーハトーブ」と名づけたことでも知られるが、賢治は37年という短い生涯で膨大な量の作品を遺した。
本書では『銀河鉄道の夜』をテーマに賢治の宇宙観に迫る。このユニークな童話はどのように構想されたのか。賢治は宇宙に何を見ていたのか。天文学者による、これまでにないアプローチ。
目次
まえがき
第1章 『銀河鉄道の夜』と賢治の時代
1-1 賢治とは
1-2 賢治の時代の天文学
1-3 賢治の時代の物理学
1-4 『銀河鉄道の夜』
1-5 子持ち星雲のうずまき
第2章 『銀河鉄道の夜』を読む
一、 午后の授業
〔二、〕活版所
三、家
〔四、〕ケンタウル祭の夜
〔五、〕天気輪の柱
〔六、〕銀河ステーション
〔七、〕北十字とプリオシン海岸
〔八、〕鳥を捕る人
〔九、〕ジョバンニの切符
あとがき
著者紹介
谷口義明(たにぐち よしあき)
1954年北海道生まれ。東北大学理学部卒業。同大学院理学研究科天文学専攻博士課程修了。理学博士。東京大学東京天文台助手などを経て、現在、放送大学教授。専門は銀河天文学、観測的宇宙論。すばる望遠鏡を用いた深宇宙探査で、128億光年彼方にある銀河の発見で当時の世界記録を樹立。ハッブル宇宙望遠鏡の基幹プログラム「宇宙進化サーベイ」では宇宙の暗黒物質(ダークマター)の三次元地図を作成し、ダークマターによる銀河形成論を初めて観測的に立証した。主な著書に、『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』(光文社新書)、『アンドロメダ銀河のうずまき』(丸善出版)、『天の川が消える日』(日本評論社)など多数。