キョウイクタイコクシンガポール
2023年1月18日発売
定価:924円(税込み)
ISBN 978-4-334-04645-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
教育大国シンガポール日本は何を学べるか
国を挙げて教育政策に力を注ぎ、国際学力テストではつねに上位にランクイン。諸外国からの教育移住の多い国としても知られるシンガポール。5世帯に1世帯が外国人の住み込みメイドを雇っており、共働きしやすい国というイメージもある。今や日本が見習う国のようにみえるが、はたしてすべてがうまくいっているのか。夫の赴任に伴い、5年間を現地で暮らした教育社会学の研究者・ジャーナリストである著者が、取材やインタビュー調査などを通じて、シンガポールの教育システムの実態を報告。激しい教育競争、習い事競争、教育熱と、母親たちの葛藤・試行錯誤を追う。日本の近未来ともいえるシンガポールを通し、日本のミドルクラスの共働き家庭がぶつかるであろう課題や教育の今後を考える。
目次
第 I 章 教育優等生のシンガポール?
第 II賞 もう1つの教育競争――グレード化する習い事
第III賞 「教育役割」の罠
第IV賞 「教育と仕事の両立」とジェンダー平等
補 論 日本の家事や育児外注
著者紹介
中野円佳(なかのまどか)
1984年東京都生まれ。東京大学教育学部卒業後、日本経済新聞社入社。大企業の財務や経営、厚生労働政策を取材。育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科入学。同研究科に提出の修士論文を基に、2014年『「育休世代」のジレンマ――女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)を出版。15年よりフリージャーナリスト、東京大学大学院教育学研究科博士課程在籍。22年より東京大学男女共同参画室特任研究員。キッズライン報道でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞、第2回調査報道大賞デジタル部門優秀賞受賞。著者は他に『上司の「いじり」が許せない』(講談社現代新書)、『なぜ共働きも専業もしんどいのか――主婦がいないと回らない構造』(PHP新書)など。