コミュリョクハ「フクシ」デキマル
2023年4月19日発売
定価:990円(税込み)
ISBN 978-4-334-04660-6
光文社新書
判型:新書判ソフト
コミュ力は「副詞」で決まる
副詞というと、わかりにくくて地味な品詞のイメージを持つ人が多いだろう。しかしそんな人でも、じつは日々の生活の中で、驚くほどたくさんの副詞を使っている。「めっちゃ」「やっぱり」「じつは」「なるほど」「まことに」「せっかく」「あいにく」「おかげさまで」等々……。名詞、動詞、形容詞のようにSVOCのいわゆる5文型を構成する要素とはならないが、しかし副詞は単なる添え物ではない。書き手の気持ちをもっともストレートに伝える要素であり、読者は副詞に敏感に反応するのである。その選択に成功していれば共感を得られるが、失敗するとそっぽを向かれるだろう。
本書ではコミュニケーション向上の鍵となる副詞について、その分類と機能を知るとともに、使い方の勘所を、社会・文化的背景も交えて解説する。
目次
第1章 副詞とは何か
……「副詞って やっぱり 難しい?」
第2章 副詞の多用
………「 ホントにホントに ライオンだ♪」
第3章 情態副詞
…………「 ちゃんと やってよ!」
第4章 程度副詞
…………「 超 気持ちいい!」
第5章 予告副詞
…………「 ぜんぜん 面白くない……」
第6章 検討副詞
…………「 ぶっちゃけ、 年収いくら?」
第7章 副詞と印象
………「 一生懸命 のんびりしよう。」
第8章 副詞と配慮
………「 わざわざ すみません。」
第9章 副詞と文体
………「 すごく? とても? きわめて? 」
第10章 副詞と社会
………「 せっかく 神様がいるのなら……」
第11章 副詞と世代
………「 本気(マジ)? 本気(ガチ)? 」
著者紹介
石黒圭(いしぐろけい)
1969年大阪府生まれ。神奈川県出身。国立国語研究所教授・共同利用推進センター長、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論。著書に『文章は接続詞で決まる』『「読む」技術』『日本語は「空気」が決める』『語彙力を鍛える』『段落論』(以上、光文社新書)、『よくわかる文章表現の技術Ⅰ[新版]―表現・表記編―』『同Ⅱ[新版]―文章構成編―』『同Ⅲ―文法編―』『同Ⅳ―発想編―』『同Ⅴ―文体編―』(以上、明治書院)、『「予測」で読解に強くなる!』(ちくまプリマー新書)、『この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本』(日本実業出版社)、
『大人のための言い換え力』(NHK出版新書)など多数。